自宅や会社の鍵だけでなく、自動車の鍵に関するトラブルもまた、出張鍵屋さんが活躍する重要なフィールドの一つです。むしろ、出先で発生することが多い車の鍵トラブルこそ、現場に駆けつけてくれる出張サービスの真価が最も発揮される場面と言えるかもしれません。最も頻繁に発生するのが、鍵を車内に置いたままドアをロックしてしまう「インロック（キー閉じ込み）」です。特に、最近のスマートキー搭載車では、電池切れなどが原因でインロックが起こりやすくなっています。買い物帰りに荷物を積んだ際や、少しの間だけ車を離れた時などに発生しやすく、一度やってしまうと自力での解決はほぼ不可能です。こんな時、出張鍵屋さんに連絡すれば、専門の工具を使ってドアやボディに傷をつけることなく、迅速に解錠してくれます。ディーラーに連絡するよりも早く、レッカー移動などの手間もかからないため、時間的にも費用的にも大きなメリットがあります。さらに深刻なのが、自動車の鍵そのものを紛失してしまった場合です。昔のギザギザした鍵であれば、町の合鍵屋さんでも作成できましたが、近年の自動車の鍵は非常に高度化しています。多くの車には「イモビライザー」と呼ばれる盗難防止システムが搭載されており、これは鍵に埋め込まれたICチップのIDコードと車両本体のIDコードが一致しないとエンジンが始動しない仕組みになっています。そのため、単に鍵の形を複製しただけではエンジンをかけることができません。以前は、このようなイモビライザーキーを紛失した場合、車をディーラーまでレッカーで運び、高額な費用と長い時間をかけて新しい鍵を作成してもらうしかありませんでした。しかし、現在では高度な技術と専用機材を持つ出張鍵屋さんが増え、なんとトラブルが発生したその場で、新しいイモビライザーキーを作成し、車両への登録作業まで完結させることが可能になっています。出張鍵屋さんは、鍵穴の形状からキーの物理的な形状を削り出し、さらに専用のテスターを車両に接続してIDコードを読み取り、新しいキーに登録するという一連の作業を現場で行うことができるのです。これは、ディーラーに依頼するよりもはるかにスピーディーで、費用も安く抑えられる場合が多く、まさに革命的なサービスと言えます。車の鍵をなくして途方に暮れた時、その場で問題を解決してくれる出張鍵屋さんは、ドライバーにとって最強の味方です。