プライバシーの確保や、子供・ペットの安全対策として、室内ドアに鍵を後付けすることは、非常に有効な手段です。しかし、いざ製品を選ぼうとすると、その種類の多さに、どれを選べば良いのか迷ってしまうかもしれません。目的に合わないものを選んでしまうと、せっかくの手間や費用が無駄になるだけでなく、いざという時に役に立たない、ということにもなりかねません。後付けの室内鍵を選ぶ際に、失敗しないための、いくつかの重要なポイントと注意点を押さえておきましょう。まず、第一に考えるべきは、「誰が、何を、何から守りたいのか」という、鍵を取り付ける「目的」を明確にすることです。例えば、「在宅ワーク中に、幼い子供の入室を防ぎたい」のであれば、子供には開けられず、大人には簡単に解除できる「チャイルドロック」が最適です。「思春期の子供のプライバシーを尊重したい」のであれば、室内側から施錠できる、ごく普通の「鍵付きドアノブ」で十分でしょう。一方、「外出中に、貴重品を置いている部屋に、誰も入れないようにしたい」のであれば、外側から施錠できる、より本格的な鍵が必要になります。目的によって、求められる鍵の機能(内鍵か外鍵か、強度はどの程度必要か)は、全く異なってきます。次に、重要なのが「ドアの形状と材質の確認」です。取り付けたいドアは、「開き戸」ですか、それとも「引き戸」ですか。ドアノブは、「丸いノブ」ですか、それとも「レバーハンドル」ですか。ドアの材質は、「木製」ですか、「金属製」ですか。これらの条件によって、取り付けられる鍵の種類は、大きく絞られてきます。購入してから、「うちのドアには付かなかった」という失敗を避けるためにも、事前の確認は不可欠です。そして、賃貸物件の場合は、何よりも「原状回復が可能か」という点が、絶対的な選定基準となります。ドアや壁に穴を開けたり、傷をつけたりするタイプの鍵は、原則としてNGです。両面テープで貼り付けるタイプや、既存の穴を利用して交換するタイプなど、退去時に元に戻せる製品の中から選ぶ必要があります。最後に、忘れてはならないのが「緊急時の安全性」です。特に、子供部屋や高齢者の部屋に鍵を取り付ける場合は、万が一、中で事故が起きた際に、外からでも開けられる「非常開錠機能」が付いている製品を選ぶ、といった配慮も重要になります。
後付け室内鍵を選ぶ際のポイントと注意点