賃貸アパートやマンションに住んでいて、「自分の部屋に鍵があったらな…」と感じる瞬間は、意外と多いものです。ルームシェアでのプライバシー確保や、在宅ワークの集中できる環境づくりなど、そのニーズは様々です。しかし、賃貸物件の壁やドアに、勝手に穴を開けて鍵を取り付けることは、退去時の「原状回復義務」に違反し、思わぬ修繕費を請求される原因となります。では、ドアを一切傷つけることなく、簡単かつ安全に、室内ドアに鍵を後付けする方法はないのでしょうか。その答えは、「あります」。近年のDIYグッズの進化により、賃貸住宅の住人でも、安心して導入できる便利なアイテムが、数多く登場しています。まず、最も手軽で、在室時のプライバシー確保に絶大な効果を発揮するのが、「ドアロック金具(トラベルロック)」です。これは、もともと旅行先のホテルなどで、セキュリティを強化するために使われる、手のひらサイズの金属製のロックです。L字型の金属プレートを、ドア枠の錠受け(ストライクプレート)の穴に差し込み、一度ドアを閉めます。そして、室内側から、その金属プレートに可動式のロックパーツをはめ込んで固定するだけで、ドアは物理的に開かなくなります。工具は一切不要で、ドアにも壁にも、一切の傷をつけません。退去時には、ただ取り外すだけ。非常に強力なロックとなり、ルームメイトや家族の入室を、確実に防ぐことができます。次に、ドアの内側の面に、両面テープで貼り付けるタイプの「簡易錠」も、賃貸物件には最適です。スライド式のものや、回転式のものなど、様々なデザインの製品が、千円程度から販売されています。貼り付けるだけなので、設置は非常に簡単。退去時には、ドライヤーなどで温めながら、ゆっくりと剥がせば、跡も残りにくいです。ただし、これらの方法は、あくまで「室内側から」施錠するためのものです。部屋の外から鍵をかけることはできません。もし、外出時にも施錠したい場合は、やはり「鍵付きドアノブへの交換」が最も現実的な選択肢となります。この場合でも、退去時に元のドアノブに戻すことを条件に、事前に管理会社や大家さんに相談し、許可を得ておけば、トラブルなく行うことが可能です。
賃貸でもOK!ドアを傷つけない室内鍵の後付け術