金庫が開かないという緊急事態に、専門業者に依頼することを決めた時、最も気になるのが「一体、いくらかかるのだろうか」という費用面の問題でしょう。金庫の鍵開け費用は、金庫の種類、開け方、そして依頼する業者によって大きく変動します。その料金がどのような内訳で構成されているのか、そして一般的な相場を知っておくことは、安心して依頼するための重要なポイントであり、不当な高額請求を避けるための自己防衛にも繋がります。金庫の鍵開け費用は、主に「出張費」、「作業基本料」、そして「特殊作業料」で構成されています。まず、「出張費」は、作業員が現場まで駆けつけるための費用で、業者によって3,000円から10,000円程度と幅があります。「出張費無料」を謳う業者もいますが、その分が他の料金に上乗せされていることが多いので、総額で判断することが大切です。次に、「作業基本料」です。これは、ピッキングによるシリンダーキーの開錠など、比較的単純な作業に対する料金で、10,000円から20,000円程度が相場です。そして、料金を大きく左右するのが「特殊作業料」です。これは、高度な技術を要する作業に対する追加料金で、その代表が「ダイヤル解錠(探り解錠)」です。この作業は、数十分から数時間を要する職人技であるため、20,000円から50,000円以上の特殊作業料がかかるのが一般的です。テンキー式の電子金庫の開錠も、専門的な知識が必要なため、同程度の料金がかかります。したがって、例えば、家庭用のダイヤル式金庫の非破壊開錠を依頼した場合、総額で30,000円から70,000円程度が一つの目安となります。これが、より複雑な業務用金庫や、防盗金庫になると、料金はさらに高くなります。一方、「破壊開錠」の場合は、技術的な難易度は下がるものの、使用する工具や作業時間に応じて、20,000円から40,000円程度の作業料がかかります。もちろん、この場合は金庫が使えなくなるため、新しい金庫の購入費用も考慮しなければなりません。深夜や早朝の依頼であれば、これらに「時間外料金」が加算されます。最も重要なのは、必ず作業前に、これらの内訳が明記された見積書を提示してもらい、その金額に納得してから、正式に依頼することです。